コーチの視点から、娘の中学受験を振り返ります。
それぞれについて、詳しく書いていくシリーズの第3弾です。
3.日々の過ごし方
娘の選んだ志望校は、当時の娘の学力とは程遠い、ハイレベルな学校でした。
そこで、無意識の力を借りることにしました。
ゴールを設定したら、「そのゴールを当然達成する私」という自己イメージを持って過ごすことがとても重要です。
そこに、我慢や努力は必要ありません。
娘の自己イメージを高めるために、例えば「来年は西荻窪(娘の志望校最寄り駅)まで通うんだから、渋谷の乗り換え方をいまから覚えておこうか」などと、当然のように会話に織り込んで話していました。
そのようにすごしていると、娘の自己イメージは「志望校に当然合格する私だから、塾の宿題をちゃんとやるのなど当然」という感じになります。
実際、塾通いが始まってから入試当日まで、娘に、勉強しなさいと言ったことは一度もありませんでした。
塾通いを始めたのが遅かったためか、娘は塾通いが大好きで、特に夏休みや冬休みは一日自習室で過ごすこともありました。
塾が休みの日曜は、一日中好きなイラストを描いてすごしました。
入試一週間前くらいから、クラスの男子にリクエストされたからと、「ワンピース」「Naruto」「銀魂」などのキャラクターを毎日書いては、翌日学校に持って行くようになりました。
「試験が終わってからにしてもらえば」と、喉まで出かかったのをぐっと抑えてみていたら、入試2日前くらいから、「試験が終わったらまた描く」といって、ちゃんとやめていました。
塾の先生も見ていてくれている。
そう信じていた私には、勉強しなさいという必要がありませんでした。
漢検は、本人が受けたいといったので、入試直前ですが受けました。
えーもう受験なの!と、試験前夜に驚いていた娘。
受験勉強が終わってしまうのを残念に思う気持ちがにじみ出ていました。
志望校に合格し、好きな美術の勉強や部活を楽しんでいる自己イメージが娘の中に出来上がっているので、それを達成するために必要なことは、娘の無意識が自動操縦でやってくれていました。
無意識に任せた結果、塾の先生もおどろくほど成績が延び、1月後半にはなんと、志望校が射程圏内に入ってきました。
私はとにかく相手にせず、自分の気分をよくしておくことに注力しました。
本人がやりたいということは、たとえ試験前日でも構わずやらせました。
脳をいつも「快」に保つことにより、無意識が最大限に力を発揮することができます。
ゴールがあり、それにふさわしい自己イメージを持っている人は、やりたいことをやっても決して堕落してしまうことがありません。
やっていることが、ゴール達成に反すること、ゴールに関係ないことであれば、無意識の力が働き、やがて本来の道へ戻ってきます。
無意識の力を最後まで信じきることができたので、一度も勉強しなさいということもなく娘は入試当日を迎えました。
私たち母娘はこんな受験でしたから、「合格おめでとう!お母さんも頑張りましたね」などといわれると、少し違和感があります。
頑張るとか、我慢するとか、そういった感じではなかったのです。
決して楽々受かるような学校ではなかったのですが、気持ちとしては、「まあ受かって当然だよね」というのが、一番近いのかもしれません。
娘は今、中学校生活が始まるのを、とても楽しみにしています。